子供の習い事は、いつから? 運動神経が覚醒するゴールデンエイジ!
「将来、子供にはプロのスポーツ選手になってもらいたい」
「オリンピックのような、世界の舞台に立ってほしい」
子供の将来を夢見て、親の理想は膨らみます。
当然、子供も、そんな立場になったら、親に感謝するでしょう。それは、親も相当の覚悟と苦労をしていくことになるからです。
子供は、親が一流のプロでもない限り、普通に学校生活を送り、スポーツなどを見るにしても、一般的な角度から見ることになります。
親がプロや、何かスポーツをしているなら、一緒に行動したりするかも知れません、また、サポートやアドバイスを受けたり、見る角度も違うでしょう。
しかし、大抵の場合は、テレビで見たり、町のスポーツクラブなどの門を叩き、初めて体験していくものです。
なんだか、一歩遅れをとっているようですが、産まれたばかりの子供は、純粋無垢、みんなスタートは一緒なんです。
そう、たとえ親がプロでも、必ずしも子供もプロになるとは限らない、また、親は関係なく、子供自身が必死になって、プロになる人達もいます。
いずれにせよ、子供自身の努力と、親のサポートが重要なんです。
それでは、運動系の習い事を始めるなら、いったい何歳くらいから始めるのが理想なのでしょうか?
この記事で、分かることは・・・
- 子どもに習い事をさせるタイミングが分かります。
- ゴールデンエイジと呼ばれる、運動神経覚醒時期が分かります。
- ゴールデンエイジ前には、準備段階を済ましておく必要があります。
「運動学習最適期」に起こる、ゴールデンエイジとは?!
何歳から始めるのが理想か?、世界的に有名な「ゴールデンエイジ」を参考にすると良いでしょう。
ゴールデンエイジは、細かく説明すると、3段階に分かれます。
「プレゴールデンエイジ」
プレゴールデンエイジとは、5歳~8歳頃と言われています。
人の神経は、5歳で80パーセント、12歳で100パーセント完成すると言われ、補助輪無しの自転車などに、一度乗れると、次からは怖がらずに乗れてしまうのも、この神経の発達が影響しています。
また、次の段階である、ゴールデンエイジに影響する期間で、この時期に、さまざまな遊びやスポーツを体験することで、神経経路も多く形成され、運動能力の基礎を伸ばすことができます。
神経経路は、一度形成されると消滅することはありません。
きちんとしたスポーツではなくていいので、遊びを取り入れた運動や体操、リズム感を持った動作など、脳を刺激し、運動神経の発達につなげていきましょう。
(このプレゴールデンエイジの定義にも、さまざまあり、始まりは3歳頃からという説もあります。)
「ゴールデンエイジ」
ゴールデンエイジとは、9歳~12歳頃と言われています。
世界的にも認知されていて、神経の完成時期にできる能力であり、見たことのない新しい運動でも、数回見ただけで、こんな感じかなとできてしまう。
即座の習得とも言われていて、今までやってきた運動能力が開花する時期になります。
プレゴールデンエイジ期に、さまざまなスポーツや運動、基本的な動き、自身の身体の使い方など、神経系統を刺激し、身体を動かす基礎ができていることが重要なポイントです。
この、プレゴールデンエイジ期や、ゴールデンエイジ期に習得した動作は、大人になっても、その動きをすることができます。
やはり頭ではなく、身体が覚えているということでしょう。
「ポストゴールデンエイジ」
ポストゴールデンエイジとは、13歳以降の最後の成長期をいいます。
だいたい、ゴールデンエイジについては、プレゴールデンエイジと、ゴールデンエイジについての説明が多いのですが、このポストゴールデンエイジも重要な時期となります。
12歳頃までの、ゴールデンエイジ期で、神経系統が完成となりますが、このポストゴールデンエイジでは、骨格や筋力、内蔵の発達が著しく、がっしりとした体型へと、成長していきます。
小学生の頃のように、活発に動けた動作も鈍くなったり、少し身体に違和感があったりするでしょう。
ただ、パワーやスピードなど増していき、身体つきも大人になり始め、大きく成長する段階なので、落ち着く頃には、より強く力を発揮できるようになります。
体力トレーニングでは、内蔵発達に合わせ、心肺機能を向上させるトレーニングを入れると良いでしょう。
ゴールデンエイジ期以外は発達しない?その信用度は?
なぜ、ゴールデンエイジと呼ばれる時期に、運動をさせるのが良いのでしょうか?
そもそも、ゴールデンエイジとは?!
ゴールデンエイジの年齢定義は、アメリカの医学者で人類学者のスキャモンが発表した、発達・発育曲線が元になっています。
運動神経の発達や、身体の発育が元になっているので「もう少し身体が大きくなってから」「子供がいろいろ分かるようになってから」と考える親もいますが、
その時には、すでに成長している、言い方を変えると、出来上がっている、完成しているため、それ以上に伸ばすことが困難になっている場合があるということです。
これから順に成長していく身体の中の、筋肉の動き、反応に直結する「運動神経」だけは、早い段階で完成します。
そして、その「運動神経」を成長させるためのものが、「身体を動かす運動」であり、スポーツであり、習い事や遊びなのです。
活発に動けるようになったり、秀でて伸びた様子を見た時に、運動をやらして良かったと思えるのではないでしょうか。
(参照:白石豊他「どの子ものびる運動神経」かもがわ出版)
運動神経に影響する神経の発達は、4歳頃から12歳頃に急激に発達し、動作習得に有利な時期とされています。
そのため、世界での共通認識となっていきました。
(参照:宮下充正「子どものスポーツ医学」南江堂)
ポストゴールデンエイジ以降の発達は?!
俗に言う、遅咲きタイプは実際にいます、有名なオリンピック選手でも、小学校や中学校では、目立つこともなかったけど、高校後半に入賞できたと解説する方もいるくらいで、
必ずしも、ゴールデンエイジに目立ったから、プロの選手になれる訳ではありません。
ゴールデンエイジ期以降は、さらにレベルの高い技術的なものも必要になってきて、それこそ、小学校、中学校では危険と判断される練習はさせません、大会なども、少年規定で行われます。
中学や高校以降に加わる、レベルの高い技術を、しっかり頭で覚え、「それを使える身体」であるかどうか、
また、小学校、中学校では目立たなくても、その時に目立っていた選手に、追いつけ追い越せと、地道にずっと努力していたとしたら、
成長曲線は、あくまで、平均的な発達・発育をグラフにしたものです。
運動神経の成長のあとは、身体や技能といった部分の成長です。
地道な努力こそ、年齢を超えて、人を成長させていくでしょう。
まとめ(子供の習い事は、いつから? 運動神経が覚醒するゴールデンエイジ!)
3歳、4歳、5歳と遊びの中から、身体を動かす楽しみを覚えていく時期です。
やらなきゃダメとか、しないといけない、などにはとらわれず、子供と一緒に遊ぶことから始めたり、
子どもが興味を持ったときが、子ども自身も、楽しく始める時期であり、成長していけるのではないでしょうか。
そして、幅広くやらせたり、体験させる中から、子供自身が興味を持つ方向へ向かったり、好きな事をやることが、続けていけるポイントになります。
とらわれ過ぎは、よくありませんが、ゴールデンエイジと呼ばれる成長時期を、あるていど考慮することで、子供の将来の身体づくりのためにもなり、
子供の成長と可能性のために、いろんなことに挑戦させることが、子供の人生の役に立つでしょう。
聞いた話しですが、ある国で、子供が幼少期に書いていた絵を、親は「くだらない絵を書くくらいなら、やめろ」と、描かせなかったそうです、
数年後、その絵を見た画家の一人が、天才的な才能がある!と訪ねましたが、その子には、もう、絵を描く才能は失われていた。
これは、スポーツの才能ではなく、絵の才能の話しですが、実際にあった話しのようです、
子供は、親も知らない可能性を秘めています、そして、子供は親のものではありません、親がやりたいこと、好きなスポーツも一緒とは限らないのです。
ただ、将来、どの方向を向いても、役に立つような身体や運動神経には、してあげたいものですね。
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