遺伝で身長が伸びないはウソ?子供の身体を大きくする、成長に必要な5つの要素!
スポーツ指導をしていて、保護者の方から多い質問は「身体を大きくしたい」「たくさん食べさせてるつもりだけど、大きくならない」「どうすれば、体格はよくなるの?」
子供の成長についての質問で「身体を大きくしてあげたい」というのが、やはり多くの親の願いでしょうか。
じつは、僕自身も身体は大きくありません。
ですが、中学1年の息子は、ほぼ僕と同じ身長です。
具体的な身長の数字は、控えさせていただきますが、子供自身は中学1年の平均身長を超えているのです。
それは、僕自身が身長でコンプレックスを持っていたこともあり、身長を高くするために必要なことを勉強し、それを子供に実践してきたからでもあります。
まさに「遺伝」で、小さい親の子供は小さい、などと言わせないため、子供は大きく育ててやろうと考えた結果でした。
「親が小さいと、子供はそれ以上は無理。」「身長も遺伝するから、大きくはなれない。」
これは、100%真実ですか?、子供の方が大きい家庭はありませんか?、諦めるのは簡単です。
ただ、子供の未来を、簡単には諦めないでくださいね。
この記事で、分かることは・・・
- 親が身長が低くても、諦める必要はなく、子供の身長は「親よりも伸びていきます」
- 成長に必要な物は、5つの要素を、しっかりと生活に組み込むこと
- 5つの要素とは、「食事」「睡眠」「運動」「タイミング」「環境」です。
遺伝で全てが決まるのか?
親が小さければ諦める?、親が大きいと何もしなくても大きくなるの?
答えが出るのは成長期を過ぎた頃です。
そして、何もしなかった場合、後悔するのは、その時かも知れません。
「遺伝」が成長に与える影響
遺伝とは、父親と母親の染色体を譲り受けた子供が、両親の特徴などDNAの情報を引き継いで、そのまま子供自身にも影響を与える事。
身長に対する遺伝は実際にあり、その影響は70%から80%と言われ、背の低い親の子供は、背は高くはならないし、逆に背が高い親だと、子供も背が高くなるだろうと言われています。
生まれたあと、親との生活が続くなかで、その生活スタイルも同じであれば、ほぼ、親と同じくらいの身長で成長も止まる事になる。
また、身長に限らず、何か優秀な遺伝子を持った親であれば、その遺伝子も、子供に引き継がれる可能性は高く、伸ばす事ができれば、秀でた才能となり開花する。
ただ一概に、この遺伝子が無ければ、秀でた才能は開花しない、身長が高い遺伝子じゃないと、高身長にはならない、という訳ではなく、生まれたあとに受ける影響や、努力次第で、その差を縮めたり、伸ばしたりする事はできるのです。
「身長の予測計算方法」は、あくまで参考
子供の将来の身長を予測するのに、予測式があります。
- 男子の身長=(父親の身長 + 母親の身長 +13)÷2 +2
- 女子の身長=(父親の身長 + 母親の身長 -13)÷2 +2
日本体育協会の論文で発表されたものですが、30年以上前のもので、その後、食生活の改善や平均身長の伸びなどが考慮され、+2がなくなりました。
新しい論文での身長予測式
- 男子の身長=(父親の身長 + 母親の身長 +13)÷2
- 女子の身長=(父親の身長 + 母親の身長 -13)÷2
計算に父親と母親の身長を入れる必要があるので、遺伝の影響を考慮し作られている。
(日本体育協会スポーツ医科学研究報告 日本人青少年の最終身長予測と体力の発達に関する研究より引用)
ただし、遺伝そのものが、100%子供に受け継がれることも無く、もし仮に、100%だった場合、1組の父親と母親の子供達は、全員同じ身長、同じ顔になってしまいます。
遺伝の法則もあり、似てはいても、同一ではないのです。
他にも、子供の身長を予測する計算方法はありますが、あくまで参考としてとらえ、必要以上に考えこまないようにするべきですが、
日本小児内分泌学会が出している成長曲線などを確認し、子供の低身長や成長障害などの場合は、早めに対応できると、効果にも差がでるので、気になる場合は、保健師さん等へ相談すると良いでしょう。
日本小児内分泌学会、お子様の病気が気になる方、患者さんおよび保護者の方へ(クリックすると、リンク先の記事へ飛びます。)
寝る子は育つは本当? たくさん食べれば大きくなるの?
「早く寝ないと、大きくなれないよ。」「たくさん食べないと、大きくなれないよ。」
なんでも、身長に影響してるような言い方をしますが、実際には、どれだけ影響しているのでしょうか?
「食事と睡眠」が成長に与える影響
食事と睡眠は、生きていくことに必要なことで、成長にも影響します。
食事は、身体を作る元となり、その栄養が骨の成長にも関係し、睡眠も寝ることで、身体の休息と成長を促すことは実証されています。
大きく成長するために、食事と睡眠が必要なことが分かるのが、乳幼児期です。
生まれてからの1年、この1年間の成長は、人間の成長の中で最大となり、新生児の平均身長は、約48センチ、平均体重は、約3キロですが、
1年後には、平均身長は、約73センチ、平均体重は、約9キロ。
1年で、身長は、約1.5倍で平均約25センチ伸び、体重は、約3倍の平均約6キロにも増えています。
睡眠時間にしても、3ヶ月くらいまでは、ほとんど寝てますが、それ以降でも、1年後くらいまでは、平均10~12時間と、1日の約半分ほど、寝て過ごします。
食事は、基本的には、お母さんの母乳か、粉ミルクですが、おなかいっぱいまで飲めて、充分過ぎるほどの栄養があります。
この時点では、食事と睡眠の効果が、かなり高いのが分かりますが、
しかし、当然、乳幼児期を過ぎると、睡眠時間も食事も変わり、起きている時の行動時間が長くなっていきます。
幼児期からは、成長ホルモンの分泌や成長期というタイミングなど、食事と睡眠以外の、成長に関わる要素も知り、生活に取り入れることで、子供の身体を大きくすることに、つなげていきましょう。
「食事と睡眠」以外が成長に与える影響
食事と睡眠以外に、乳幼児が大きくなった要素の1つに、成長に関係するタイミングがあります。
それは、第一次成長期という成長期のタイミングで、その波にのり、しっかりとした食事と睡眠を繰り返した結果、大きな成長に繋がっていったのです。
では、成長期というタイミングと、それ以外に、身体を大きくするのに必要な要素を、確認していきます。
人間には「成長期」という期間があり、期間中には2回、特に大きく成長する第一次成長期と、第二次成長期がありますが、その間も、平均的には伸び続けています。
そして、草花を例に例えると、太陽の光を浴びるために、より広く、より多く葉を広げるため大きくなるように、
成長するには必要性があるので「運動」などで、適度に身体を動かし、刺激を与えることも重要です。
さらに、成長していく過程での「生活環境」として、毎日の生活を繰り返す環境や、親や兄弟などの人間関係など、
心が閉じこもることなく、明るく開放的な方が、精神的圧迫感もなく伸び伸びとできるのではないでしょうか。
成長には、食事と睡眠も重要ですが、成長期というタイミングや、運動や環境など、それ以外の要素も加わり、相乗効果として、成長しているのです。
背を高くしたい! 成長に必要な5つの要素!
成長には、タイミング(成長期)、食事、睡眠、運動、環境(家族関係含む)の5つが重要です。
成長期は、全体で見ると長い期間ですが、子供にとっては、将来の身体を左右する重要な期間となります。
成長期を完全に過ぎてから、もう少し身長が高いと良かったと後悔しても、手遅れになってしまいます。
できるなら、身体を大きくするためにがんばろうと、子供に呼びかけ、成長を楽しむなど、親が理解し、生活に取り入れていく方が効率的でしょう。
壁やドアなどに簡単に貼れる、身長計測の目盛りがプリントされたインテリアシールなども売られているので、思いついたら計測し「1センチ大きくなったね」「あ~残念」など、子供と楽しみながら計測するのも良いものです。
子供と一緒に成長する、子供と成長を楽しむことが重要です。
「タイミング(成長期)」とは
成長期は、全体で見ると、産まれてから思春期までですが、細かくは3段階に分かれていて、成長のスピードも、発達する内容も、それぞれに違います。
産まれてから、4歳くらいまで
赤ちゃんは、生まれてすぐに、おっぱいに吸い付ける能力と、物を掴む能力を持っています。
この能力は、どちらも食事ができる能力と言われていて、成長に必要な食事と睡眠ができる状態で産まれることで、出生後すぐに成長段階に入れるのです。
まずは、身体を大きくすることで、内蔵をはじめ、身体の各器官の発達、発育をする必要がありますが、4歳頃にむけて、急激に成長スピードは遅くなります。
この「乳児期」の成長段階は、第一次成長期とも言われます。
4歳くらいから、思春期前まで
この期間は、毎年平均的に伸びていく期間であり、脳や神経系などの発達がメインとなり、脳は、6歳頃には完成し、運動神経は、5歳までに80%、12歳で100%完成すると言われています。
有名なところで、ゴールデンエイジという言葉があり、それは、9歳から12歳頃に、見たことのない新しい運動でも、数回見ただけで、こんな感じかなと出来てしまう「即座の習得」をさしていますが、
このゴールデンエイジという能力も、その前段階の、5歳から8歳ころに、スポーツなど、基礎的な身体の動きや、身体づくりの基礎など、体験吸収している必要があります。
この期間は、第一次成長期にも第二次成長期にも入らない時期ですが、身長の伸びもあり、思春期に向けた、身体全体的な成長期間といえます。
思春期
だいたい、小学校高学年から中学1・2年頃を指していて、男性と女性で時期が少し違います。
思春期は、男性ホルモンや女性ホルモンが活発となり、男子ならヒゲが生え始めたり、女子は胸が膨らむなどの、性的特徴も表れ始め、精神的にも不安定な時期に入ります。
男子と女子で年齢は違いますが、思春期をピークに、ゆるやかに成長は止まり始めます
思春期のピーク年齢
- 男子は12歳~13歳頃
- 女子は10歳~11歳頃
それでも、伸びしろとして成長は続くので、諦めなければ「もう少し伸ばすこと」も可能かも知れません。
伸び切るまでの、限界年齢
- 男子は16歳~18歳頃まで
- 女子は14歳~16歳頃まで
この頃から、身体つきも、子供のような活発な身体から、がっしりとした大人の身体へ変わっていきます。
この「思春期」の成長段階を、第二次成長期といいます。
「食事」とは
食事とは、ただお腹に入れば良い訳ではなく、その栄養や、空腹時における身体の影響が関係してきます。
朝食がパンなら、ご飯と少しのおかずに代えるだけでも、脳神経の発達や知能指数にも影響し、頭の回転がよくなり、成績も良くなったことが、実証されています。
また、朝食が菓子パンだった場合、ほとんど栄養もなく、糖質だけを摂取することになるので、血糖値が上がり、逆に疲れたり、集中力が続かないなども考えられます。
昼食が学校給食の場合、とてもバランス良く考えられていて、なおかつ安く済ましてくれるので、とてもありがたいと思います。
夕飯や、休みの日のメューは、偏った食事にならないよう、できることなら、バランス良く、摂取していきましょう。
徹底するのは、難しいですが、農林水産省の食事バランスガイドが参考になります。農林水産省 食事バランスガイド(クリックすると、リンク先へ飛びます。)
生物は生きるために、エネルギーを消費します、それは空腹時も同じく、自分の体内に取り入れた、グリコーゲンや脂肪、タンパク質やアミノ酸などを分解し、活動エネルギーに変えていきます。
それは、寝ている時も同じで、身体づくりを考えた場合、空腹時を作らないことが重要で、理想は1日5食と言われています。
ただ、現代社会や学校生活をしていく場合、5回は無理でしょうから、軽食ていどでも、4回目の食事を検討すると良いと思います。
アレルギーの関係で、牛乳など制限される場合には、カルシウムやビタミンD、マグネシウム、鉄分など、食事で取りにくい物は、サプリメントを活用することで補うこともできます。
「睡眠」とは
睡眠は身体を休め、体力の回復をする以外に、唯一、身体が成長する時です、起きてる時に、伸びる事はありません。
また、睡眠には、浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠、2つの種類がありますが、特に、眠りに入って約2時間後にくる、ノンレム睡眠に、多くの成長ホルモンが分泌されます。
ただ、寝る前のゲームやテレビなど、興奮状態のままだと、寝付けなかったり、深い眠りに入れず、ノンレム睡眠は短くなってしまうため、
睡眠2時間前から、お風呂やリラックスして過ごすと、良質な睡眠を取ることができるでしょう。
理想の睡眠時間は、
- 小学生は、10時間~11時間
- 中学生~高校生は、8時間~9時間
塾や習い事がある、現代人にはとても厳しい睡眠時間です。
食事のところで話しましたが、もし4食目を、夕飯と睡眠の間で取る場合、きちんと食休みの時間と、就寝までの時間やメニューを考慮して食べたほうが良いでしょう。
「運動」とは
運動は、心肺機能を高め、身体に刺激を与えます。
適度な運動は、成長に必要な刺激にもなり、また、体力的にも内蔵的にも、発育・発達に影響します。
運動神経は、5歳までに80%、12歳で100%完成すると言われ、小学校入学前から、運動しているような子供は、自分の身体の使い方が、とても上手く、
小学校入学に合わせて、スポーツなどの習い事を始めたとしても、神経の発達に合わせて伸びるので、とても良いタイミングだと思います。
僕のスポーツ教室でも、当然年齢や、子供個人に合わせて取り組みますが、年長さんや小学校低学年くらいだと、リズム感も出来てきますし、
小学生のうちは、無理な運動はさせず、スポーツ全般で使えるように、基礎的な身体使いが中心になり、
中学生は、成長痛にも注意しながら、自重トレーニングや、スタミナトレーニングをメインに練習することで、内蔵の成長にもつながります。
ある程度の運動量と質で、自分自身の身体を使いこなし、自分の限界を知り、次はそれ以上を目指すことで、体力の向上につなげていきます。
「環境」とは
環境とは、子供の生活環境そのものですが、親や兄弟との人間関係も影響します。
ニュースになるような虐待ほどの環境は、問題外ですが、それでも、子供が親の目を気にしてるような環境なら、少し伸び伸び出来るように、改善すると良いでしょう。
コミュニケーション手段としては、
乳児期は、スキンシップ、抱っこによる、ぬくもり、
幼児期は、興味が先立つので、見えるところにいてあげたり、てをつなぐ
小学生時期は、成長に合わせ、肩ぐるまや、スポーツの相手をしたり、一緒の目線で遊んだり、
中学生時期になると、思春期や反抗期、友達との仲間意識が強くなり、親とのコミュニケーションが薄くなりがちですが、
冷たい対応や、たとえノリでも、ふざけない限りは、落ち着けば頼って戻ってきます。
また、悩み事も多くなるので、その時はしっかり聞いたり、他の家族には話さないなど、約束をした場合は、しっかり守ることで、信頼も強くなっていきます。
やはり、心落ち着く場所で、リラックスして、食事や睡眠の妨害もない、楽しく笑っていられるような環境が重要で、
お父さんや、お母さんが、見てくれている、そばにいてくれるからと、自信を持って行動できるような関係、、圧迫のない環境が理想ではないでしょうか。
不安なく過ごせる環境が、身体と合わせ、精神的な成長にも関係してきます。
まとめ(遺伝で身長が伸びないはウソ?子供の身体を大きくする、成長に必要な5つの要素!)
遺伝による成長への影響は、正直少なくありません。
ただし、諦める必要もないのです。
遺伝による身長への影響も、「90%遺伝する」や「70%~80%」という説もありますが、逆にいうと、そこまで正確ではないのです。(70%から80%の説が多い)
子供は、食事や睡眠のほかに、運動と環境、そしてタイミング(成長期)が相互に関係して成長していきます。
食事や睡眠だけをしっかりしていても、何もしなければ、普通に成長する範囲でしか、成長は望めません。
逆に大きい親だから、遺伝するから大丈夫と過信していて、子供は全然大きくならなかった、というのも見てきました。
個人個人で成長にも違いがありますし、生活環境によって、大きく変わる場合もあるのです。
ただ、限りある成長のタイミングを上手く使うためには、早めに手をうつ必要があります。
また、それにより、低身長や成長障害などの発見にも、つながりますので、子供に合わせた、成長のための生活スタイルなど、見直してみると良いかも知れません。
だいたい小学校入学に合わせて、5つの要素を含め、子供を成長させることを意識した生活スタイルにすると、子供にとっては、それが普段の生活となり、当たり前になっていくので、抵抗なく取り組み始めることができるでしょう。
運動系の習い事は、とても有効で、きちんと年齢やその時の運動能力にそった指導になりますし、同じ目標だったり、一緒に練習することで、まわりの子供達との、友達関係もできたりします。
また、体力を使うとお腹が減り、きちんとした食事もできるようになり、しっかりとした睡眠へと繋がります。
休みの日などは、公園や運動場での、軽いボール遊びやランニングなども有効で、親子関係の強化にもつながりますし、そこで疲れ、軽く昼寝をするのも有効です。
ここで1つ重要なことがありますが、子供の成長も親の責任だということ。
それは、子供自身は成長について理解できないし、理解できても成長期後半の中学生くらいからでしょう。
子供が夜まで遊んで寝ない、あまり食べない、運動しない、保護者との相談でよく出ますが、それは家庭環境、親との関係で改善できるはず、
子供としっかり向き合い、遊ぶ時は一緒に楽しんだり、寝ることの大切さを教え一緒に寝たりすることで、子供はしっかりと、必要なことだと感じ取るようになっていきますよ。
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