積極的になりたい! 心理的コミュニケーションを取り入れてみよう!
「もう少し、積極的になってほしい」「はきはきと、してもらいたい」「もごもごしていて、しっかり話してもらいたい」
そう思っていても、誰かの目を気にしているような、何かを恐がっているような、そんな感じな子もいます。
実際には、答えが間違ってたらどうしょう、笑われたらどうしよう、恥をかきたくない、そう思って、消極的になってしまっている子が、多いのですが、
まずは、積極的になるためには、まずは自分を知ることが大事です。
自分の性格を受け入れて、その上で、どうすれば良いか。
「あなたの性格を、短く正確に教えて下さい。」と言われても、すぐには答えられないでしょう。
きちんと性格を理解することは、こういう性格だからと、短所をカバーしたり、長所を活かしたり、相手との関係を築くなかで、とても役に立ちます。
また、相手の性格も理解出来れば、この人は、感情が激しい人なんだ、あまり外には感情を出さずにこなしていく人なんだなど、相手に合わせていくこともできるでしょう。
この記事で分かることは・・・
- 自分自身の性格を知り、受け入れることで、気持ちを切り替えていける
- 簡単な心理的コミュニケーション方法を取り入れ、人と接することができる
- 消極的になっていた原因を理解し積極的にもなれる、相手の性格を理解し対応できる
自分を知る8つの性格分類
スイスの精神科医・心理学者カール・グスタフ・ユングは、人間の性格を心的エネルギーの向かい方によって、2種類に大別し、4つの心の機能をかけあわせた、8つの性格分類を提唱しています。
2つの大別的分類(外向的or内向的)
私は、もっと自分の知らない世界を見てみたい、興味があることを追求してみたい、心で常に感じる気持ちは、外か内か?
どちらに向いているのか、ひらめきや感情など、先に立つものは何か、まずは、自分の性格の土台を確認してみましょう。
「外向的性格」
初対面でも、誰とでも話せるような外向的な人は、 「社外的で、初対面でも打ち解けやすい。ただし、トラブルや悩みなどは、1人で抱え込む傾向がある。」とされています。積極的な分、コミュニケーション能力も高く、交友関係も多いため、友達や相談できる人も多い、まわりの意見も参考に動くタイプ、しかし、1人ではトラブルに弱く、また、交友関係も多い分、付き合い方は浅くなりがちになります。
「内向的性格」
初対面の人とは特に、どういう人なのだろう、何を話せばいいだろうと考え、なかなか話せない内向的な人は「内気で人見知りしやすい。しかし、何事も1人でやり通す辛抱強さがある。」とされています。
初対面の人と打ち解けるのには時間がかかりますが、自分自身の意思や決断する強さがあり、物事も深く考え、自分で納得し進むタイプ。交友関係も、幅広くはないが、1人1人しっかりと付き合うようになります。
ユングは、外向的・内向的の分類の他に、コンプレックスという概念として広めたので、補足しておきます。
「コンプレックス」
自分自身の身体や、内にあるものですが、受け入れたくないけど、どうしようもない感情、劣等感というよりも、観念複合体と訳され、欲求や感情の塊で、自分で抑制できないわだかまりや、行動への強い動機であり、本人にとっては無意識的で、その人の態度や行動、感情に強い影響力を与えるものとされました。
4つの心の機能(思考or感情or直感or感覚)
- 「思考」優先タイプ=自分の知識や経験をフル活動させ、物事にあたる、頭の中で道を作ってから進む。
- 「感情」優先タイプ=物事から起こる気持ち、好きや嫌い、怒りなど、直面した状況に対した、自分自身の態度が先に出てくる。
- 「直感」優先タイプ=予感や勘など、考えた結果ではなく、感覚的にそうではないかと思ったことを信じて進む。
- 「感覚」優先タイプ=感受性、独特なセンスなど、刺激や印象を受け止め、心の動きを優先させる。
自分自身の性格を確認してみる(2つの大別的分類x4つの心の機能)
大別的分類と、4つの心の機能を、かけ合わせたもので性格分類する。
- 「思考×外向的性格」= 物事をそつなく確実にこなす、軍師タイプ
「感情×外向的性格」= 外界と積極的に関わる、華やか舞台タイプ
「直感×外向的性格」= 可能性を信じ、探求・実行タイプ
「感覚×外向的性格」= 感性を信じ、その道を広げていくタイプ
「思考×内向的性格」= 自分の考えを追求、没頭タイプ
「感情×内向的性格」= 感情の起伏が激しく、本人もそれに揺れ動く
「直感×内向的性格」= 夢見がちで、自分を高めるタイプ
「感覚×内向的性格」= 独自の感性があるが、地道で、それで満足するタイプ
外向的性格がベースの場合、4つの心の機能のいずれでも、外へ外へと向かう性格に分類される。
内向的性格がベースの場合、4つの心の機能のいずれでも、内へ内へと自分が満足する方向に動く
いらいらや不満など、欲求不満に表れる、9通りの矛先
アメリカの心理学者サウルローゼンワイクは、フラストレーション(欲求不満)に直面した時、どこに攻撃性が向かうかで3つのタイプに分類、そして、その攻撃の形も3つに分類、合わせて9通りの性格分類法を提唱しました。
相手が怒っている場合、その矛先はどこへ向いているのでしょうか。
3つのフラストレーションによる分類
「外罰的」=責任は自分ではなく、周囲に原因があり、他人を責める
「内罰的」=責任は自分にあり、自分を責める
「無罰的」=責任は誰でもない、誰も悪くないと平和的に思えるが、根本的な解決はしない
3つの攻撃の形
- 「障害優位型」=問題そのものに原因があると考える
「自我防衛型」=問題より相手や自分といった人間が原因と考える
「要求固執型」=何よりも、課題の解決を最優先しようと考える
3つの分類x3つの攻撃=9つのフラストレーションによる性格分類法
- 「内罰×障害優位」=障害合理化(相手に欲求不満を感じさせたと、自分自身に責任があると感じる)
「無罰×障害優位」=障害無視(欲求不満そのものを、軽く考える)
「外罰×自我防衛型」=攻撃(人や物に当たったり、自分以外へ、とにかく、周りを責める)
「内罰×自我防衛型」=自責(自分自身が悪かったと、自分に責任を感じる)
「無罰×自我防衛型」=容認(責任は自分でも誰でもないと回避、非難してきても、しょうがないと許す)
「外罰×要求固執」=解決依存(他の誰かが解決してくれるだろうと、期待して待つ)
「内罰×要求固執」=努力(どうにかならないか、自分自身で解決してみようとする)
「無罰×要求固執」=慣習依存(時間が立てば、何か状況が変化するのではと、経過による解決を待ってみる)
たとえば、「外罰×自我防衛型」=攻撃タイプに、何か問題(トラブル)が起こると、自分以外を責め始め、何か言われても、その相手に対して敵意を向け攻撃してくる。
また、「無罰×要求固執型」=慣習依存タイプに、問題(トラブル)が起こると、とりあえず、問題を再確認するが、どうしようかと、時間や何か状況が変わるのを待ち続ける。
相手の性格、フラストレーション(欲求不満)の矛先に注意し、なるべく近寄らないなど、人間関係でのストレスを軽減できるようにしていくと良いでしょう。
また、自分の欲求不満の矛先を改めて見るのも、良いかも知れません。
心理的効果がある、コミュニケーション方法
心理学を利用したコミュニケーション方法で、さりげなく会話に組み込むと、相手からの印象も変わります。
自己開示
自己開示とは、特定の相手に対し、肯定的な部分も、否定的な部分も、包み隠さずに話すこと、相手と打ち解けたいときには、特に有効で、「相手に何かをされると、自分も同じことを返したくなる」という心理効果、返報性のルールが働きます。たとえば、プレゼントをもらえば、お返しをしないと、と考える。趣味や食べ物の話しをしていくと、相手も趣味や食べ物の話しを返してくれます。
本音で話すことによって、相手も「信頼されている」と感じ、お互いの信頼関係を高める効果があります。
うなずき効果
話しやすい相手とは、気持ちよく話しを聞いてくれる人です。
話したいという時に、話している途中で止められたり、何の反応も無い場合、話していて、とてもつまらなくなります。
さらに、嫌悪感さえ出てくる場合もあるでしょう。
ところが、話している途中で、うなずいたり、相づちがあると、きちんと聞いてくれているんだと感じ、とても話しやすくなります。
多すぎず、過度にならないような、適度な量、適度なタイミングで返すことで、とても話しやすい印象が残るのです。
オープンポジション・クローズドポジションと、オープンクエスチョン・クローズドクエスチョン
話しを聞いている態度や姿勢によっても、印象が変わる心理効果があります。
オープンポジョンとは、腕や脚を少し開き、リラックスした姿勢を、相手に見せることです。聞いてくれていると感じたり、向き合っていますよと感じ、打ち解けやすくなります。
クローズドポジションとは、逆に、やや横を向いて脚を組んでいたり、半身に構えている状態で、この場合、意見には否定的になるでしょう。
また、相手と打ち解ける会話の方法にも、有効なテクニックがあります。
オープンクエスチョンでは、どんな料理が得意なんですか?、どんな動物が好きですか?などの質問で、言葉として自由に答えられ、相手の考えや思いなど、本質を引き出しやすい。
クローズドクエスチョンでは、旅行は好きですか?、テレビはよく見ますか?など、イエス・ノーで答えられるような、単純な質問だが、考え方や事実関係は、はっきりしやすい。
ブックエンド効果
ブックエンド効果とは、相手の話しを聴こうと身を乗り出したり、集中して聴いていますよと、アピール効果があるので、真剣に聞いてくれてると、感じたりします。
ミラーリング効果
たとえば、相手に似ている点があった、価値観が近かった時に、なんとなく相手に好意を持つことがありますが、これは、人間の心理作用で、類似性の法則やシンクロ効果として説明されています。
価値観が近い場合、相手と話していてもスムーズで、話しを合わせるストレスも、少ないので、好意を持ちやすいのです。
この行動が似ている人に好意を持つ心理を応用したテクニック「ミラーリング」は、相手の動作を意識的に、適度に真似ることで、好感度を上げることができます 。
ただし、やりすぎは厳禁で、バカにしてるのか、嫌味か、などと思われたら、好感度アップどころではなくなってしまいます。
- 相手と同じ仕草
- 相手との共通の話題
- 相手と同じタイミングでの感情反応
仕草の他にも、話題や、笑いや悲しみといった感情も、ミラーリング効果があります。
まとめ(積極的になりたい! 心理的コミュニケーションを取り入れてみよう!)
性格を診断したり、特定する心理学は多くありますが、積極的になるための心理学というものはありません。
積極的ではなくても、小学生や中学生くらいを対象とした場合、キッカケがあれば、友達も増えていき、自信もついて、少しづつ変わることができます。
子供は、裏表も無ければ、大人よりも、とても純粋です。
何か考え、計画的に消極的になっている訳ではなく、自信がない、人目を気にしすぎている、失敗を恐れている、いずれかの割合が大きいようですが、やはり、「勉強や運動を日頃からしっかりとやること」で、勉強や運動に対しての自信につながるように、
はじめは、小さくてもいいので「声を出すこと」など、よくある授業中に先生に指される時だけではなく、友達との会話でも、声を出すコミュニケーションが、対人での自信につながります、
ユングの性格分類でも分かるように、内向的性格に入るのは、「自分は人と話すのが苦手」ではなく、どう話せば良いか分からないだけなのです。
だから、身内とは、普通に話せるのです。
以外かも知れませんが、他人が自分のことを見ていると、思っていても、実際に見ている人(気にしている人)は、ほとんどいないことが実験であきらかになっています。
また、初対面など話す時に、「僕は話すのが、うまくないんだけど」と、最初に言ってしまうのも、相手が理解すると同時に、自分の心理的にもハードルを下げることに繋がります。
そうそう、自分の性格を知る判断材料の一つに、血液型がありますが、じつは、多くの心理学者は血液型での性格判断を、信じてはいません。
それは、血液型と性格の因果関係は、現在でも明らかにはなっていないからなのです。
では、なぜ、血液型での性格判断の話しを聞くと、あ~当たってる。となるのでしょうか。
それは、昔から血液型での基本的性格は変わらず(A型なら几帳面など)、それが言われ続けること、思い続けることにより、自分はそうなんだと、自分自身に暗示をかける結果につながっているとされています。
そのため、昔からの友人以外からでも、「几帳面だから、A方でしょう?」と言われれば、A型は几帳面と思い込んでいるので、「よく分かったね」となります、
A型は○○、B型は○○など、自分自身もそうだと思うほどの、固定された概念なら、多くの割合で当たってても、おかしくはないんですよ。
学校生活は、とても楽しいものです。心理効果もある、コミュニケーション方法も活かして、たくさんの思い出をつくりましょう。
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