食べるスピードは、成長に影響するの? 速い・遅い、成長に良いのは?
子供の頃、「食事は良く噛んで、ゆっくり食べましょう。」なんて、言われませんでしたか?
- 良く噛んで=唾液と良く混ざり、栄養の吸収も良くなる
- ゆっくり食べましょう=喉に詰まる心配も少なく、お行儀が良くなる、よく噛むため
これはこれで、良い事に思えますが、僕が子供の頃は、あまり意識していませんでした。
というのも、良く噛む事の目安は、一口ごとに25回~30回ですが、子供の頃では、疲れたり、飽きたり、食事自体が飽きてくる。
そもそも、そんなに噛んで食べても、どれだけ良いのか理解できなかったのでした。
それでは、実際は、どの程度が良いのでしょうか。
この記事で、分かることは・・・
- 子供の、食べるスピードの速い、遅いは、成長にどう影響を与えるのかについて、書いています。
- 食べるのが早い場合、胃に負担がかかり、やや肥満傾向にはなる、十分な栄養や、量は行き渡る、食事以外に時間を使う事ができる
- 食べるのが遅い場合、胃に負担はかからず、標準体型傾向になる、平均的な栄養や量となる、仲間で食べている場合、食事に時間がかかるため、周りの友達の方が早く食べ終わる
寝る前や夜食は、消化の良いものや軽食で
食べる食材や、食べ方によって、消化しやすい物や、時間のかかる物があります
消化のしくみと、かかる時間
食事は、胃や腸などの消化器官を通りながら、ゆっくりと消化され、栄養分を分解吸収する事により、身体を作ったり、活動するためのエネルギーになります。
食べた食事は、胃で胃液と混ざり、十二指腸で膵液や胆汁などの、消化液と混ざりながら、小腸に送られ、さらに細かく分解することで、水分と栄養分の約8割を吸収し、その後、大腸で吸収されなかった水分を吸収、残りを便として排出していく流れとなりますが、
一般的な消化・吸収時間は、胃が2~3時間、小腸が5~8時間、大腸が15~20時間とされ、食べたあと、排出されるまでは、24~72時間ほどとなり、
脂質の多い天ぷらや揚げ物などは、胃での消化に4~5時間、一般的なお米で3時間、消化に良いとされるお粥で2時間とされています。
寝る前の食事や夜食について
消化には時間がかかりますが、寝ている最中も、この消化吸収作業は止まらず、ゆっくりと動き続けるため、
食事の時間によっては、胃がムカムカしたり、寝ても目が覚めてしまうといった事にもなり、重要な睡眠時間までも、阻害してしまう恐れがあります。
油物やカフェイン系などは控えるようにするなど、注意をした方が良いですが、お腹が空いたままだと眠れないという方もいるので、その場合は、タンパク質を含む軽食程度が良いでしょう。
食べる速さについては研究されている
食べる速さは、速い方が良いのか、ゆっくり食べた方が良いのでしょうか
食べる速さが速いほど、肥満傾向に傾く
食べる速さと、体重についての論文や研究は多くあり、中でも共通しているものは、食べるのが速い人ほど、BMI値が高いという物です。
BMIとは、Body Mass Index の略で、身体の大きさを示す指数となり、
- 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)=BMI(ボディマス指数)
で、理想的なBMI値は「22」とされています。
ただし、子供の年齢により、使う指数が変わり、
幼児(3ヶ月~5歳)
- 体重(kg)÷身長(m)2=カウプ指数
カウプ指数(正常な範囲)
指数 | 正常な範囲基準 |
3ヶ月~1歳未満 | 16~18未満 |
1歳~1歳6ヶ月未満 | 15.5~17.5未満 |
1歳6ヶ月~3歳未満 | 15~17未満 |
3歳~5歳まで | 14.5~16.54未満 |
カウプ指数が、正常な範囲よりも多いか少ないかで、やせぎみ、肥満気味を判断しますが、カウプ指数自体は、乳幼児の発育状態の程度を表す指数とされています。
小学生・中学生
- 体重(kg)÷身長(m)3×10=ローレル指数
ローレル指数
指数 | 判定 |
100未満 | やせすぎ |
100~115未満 | やせている |
115~145未満 | ふつう(標準) |
145~160未満 | 肥満気味 |
160以上 | 肥満 |
また、大人においても、仕事の都合などから、食べる時間が不規則だったり、急いで食べる必要があるなど、食べる速さを必要とする場合がありますが、生活習慣病を引き起こす原因にもなるので、注意が必要です。
ゆっくり食べた場合のメリットとは
- 唾液の分泌が促進され、消化吸収によく、胃にやさしい
- 満腹感を感じやすくなり、食欲が抑えられ、肥満を防ぐ
- 脳の活性化や、口腔内の発達につながる
- 子供では味覚の発達・発音が良くなる
- 大人では、肥満防止、生活習慣の改善など
他にも、健康に良いとされる事に繋がり、
適度にゆっくり食べる事は、農林水産省や、様々な病院などでも勧めています。
農林水産省「みんなの食育」中高年男性向けの食生活アドバイス
ゆっくりよりも、さらに食事が遅いと・・・
ただ、ゆっくりよりも、食事が遅い場合には、、
- 食べている途中でお腹がいっぱいになり、最後まで食べれない
- 食事の途中で、テレビや他のことが気になり、食事が進まなくなる
- 周りの人が早く食べ終わるため、待たせるなど、イライラさせてしまう
- 食事後の時間がなくなる
- 温かい物も冷めてしまい、本来の味ではなくなるなど
そもそも、マイペースだったり、個人の性格からの場合も多いので、そこまで注意するような事ではありませんが、ただ、一人ではなく、一緒に食事をする相手がいる場合や、
食事後の食器洗いや、その後の家事に影響が出るようであれば、周囲の食べる速さも、気にしつつ、食事を進めるようアドバイスした方が良いでしょう。
まとめ(食べるスピードは、成長に影響するの? 速い・遅い、成長に良いのは?)
成長についての影響を見てみると、食べるスピードが速いから、遅いからといった事が、直接すぐに大きく影響する事はないですが、
食事を早く済ましてしまう事でのデメリットが、内蔵への負担や高血圧など、その生活を続ける事での悪い積み重ねになり、結果として、大きな病気や、肥満傾向につながっていく。
そして、遅すぎる場合は、周りの人がいない状態、一人で食べていると想定しても、
時間がかかり過ぎることで、少食でも満腹感が先に来てしまい、成長期に必要な量を蓄える前に、お腹いっぱいになってしまうなど、
やはり、こういった生活を積み重ねた事により、お腹いっぱい食べているはずなのに、十分な量が行き渡らず、標準内で育っていく。
成長に必要なもので、自分でコントロールできるものは、睡眠、運動、そして食事です。
ただ、食べればいい訳ではなく、きちんと食べて、しっかり栄養を吸収したい。
(成長に関しての記事もあります「背を高くしたい!成長に必要な5つの要素!」の記事リンクはこちら。)
年齢によっても変わってきますが、「飲み込むように早く食べず、食事中に口や手まで止まってしまうほど、遅く食べない。(テレビやお話しなどに夢中にならない)」
食事も、毎日の積み重ね、しっかりと食べて、大きく成長してもらいたいものです。
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